カード会社の審査担当者の仕事とは?!【ネットでは書けません】

カード会社の審査担当者の仕事とは?!【ネットでは書けません】

今回は「カード会社の審査担当者の仕事内容」をご紹介します。

 

カード会社の審査担当者に聞きたい10のコト

謎のベールに包まれている審査の話は、現役の法人カード審査担当者としてご活躍されている三浦さんにご説明頂きましょう。どんな話が聞けるのか、是非お楽しみください。

この度は現役の審査担当者がありとあらゆる質問に答えてくれるそうな。審査担当者と言えば堅苦しくて偉ぶったイメージを持ってしまうが、現場での働きぶりはいかがなものじゃろうか。ワシの眼鏡にかなえば武田二十四将に加えてやってもよいぞ。
後ほど三浦殿から直々にお話があろうと存じますが、現実の審査担当者は堅苦しくも偉ぶってもおりませぬ。その仕事のほとんどは事務作業であって、とてもお代官様の如く振る舞うこともなさそうでござる。されば、我が徳川四天王に加えてしまいましょう。

 

①審査担当者の仕事内容とは?

こんにちは、某クレジットカード会社で審査担当者として勤務しております三浦と申します。

今回は「審査担当者に聞きたい10のコト」というお題でお話させていただきます。普段は皆さんの前に出ることもなく事務所でひっそりと仕事をしていますので、この機会に実態を知ってもらえたらと思います。

まずは「審査担当者の仕事内容とは?」というお題ですね。“審査担当者”と聞くと、次々と送られてくるカード申込み書に「OK」「NG」のハンコを押しまくっているイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ、びっくりするほどの単純作業です。

以下はカード会社に申込みが届いてから審査の過程、最終的に申込み者に結果が通知されるまでの流れを簡略化したものです。

 

①カード会社に申込みが到着
②スコアリングシステムによる自動審査
③担当者による手動審査
④本人への結果通知

 

現在、カードの審査はスコアリングシステムによる自動審査(こちらはコンピュータが担当します)がメインであり、担当者の仕事はスコアリングシステムが判定した結果(OKorNG)に誤りがないかを確認して、後は利用限度額を調整するだけです。「えっ?たったそれだけ?」と驚かれるかもしれませんが、たったそれだけです。

もちろん、重要度の高いお客様からの申込みや営業マンに「どうしても審査に通してほしい」と頼まれた案件については積極的に審査に関わりますが、それ以外はスコアリングシステムが主役ですし、その方が早く正確な結果が出ることを私たちも認識しています。

ですので、審査担当者だから堅苦しくて偉ぶっているということはありません。昔はそうだったのかもしれませんが、現在はただの事務作業員に過ぎないのです。(※あくまでも私個人の話として聞き流してください。)

 

②審査担当者になるまでのキャリアとは?

続いては「審査担当者になるまでのキャリアとは?」ですね。

私は中途採用で現在のカード会社に就職したのですが、入社して数か月間は初期研修を受けた後、債権回収部門に配属されてから審査部門に異動になりました。

最初の債権回収部門には約3か月間所属しまして、カード利用者の利用実績(カードで何を買ったか?)や返済実績(期日までに返済できているか?)を確認して、問題のある利用者には注意喚起や督促の電話を掛けていました。

世間のイメージでは、債権回収部門は取り立て専門のタフな仕事だと思われがちですが、実際はひたすら受け身で待ちの仕事です。自分で仕事を見つけて成果を残し続けなくてはいけない営業部門と比べて、ずっと楽な仕事だったと当時も今も感じています。

債権回収部門を経て、いよいよ審査部門に配属されました。初めは先輩社員に付いてOJTで審査のイロハやノウハウを学び、慣れた頃に個人カードの審査を自分の目で判定する仕事をしました。当時はスコアリングシステムなどの便利な仕組みがなかったために、すべて人間の手作業で処理がおこなわれていました。それ以来、現在に至るまでカード全般に携わっています。

ちなみに、私は営業の仕事を経験したことはなく、営業で成果を残して審査担当者になったわけではありません。営業経験がない私が審査担当者になったのは、自分の事務処理能力が買われたからだと感じています。

審査担当者の仕事には“営業の勘”も“歴戦の経験”も不要です。ただ、決められた社内ルールに厳格に従って手続きを進めるマメさが求められていることを申し添えておきます。

 

③審査担当者にノルマはあるの?

続いては「審査担当者にノルマはあるの?」ですね。

事務仕事が中心の審査部門と言えども、さすがにノルマはあります。毎日送られてくるカードの申込みが約30~40件ありますので、それを滞留させることなく、どんどん裁くことがノルマです。

「スコアリングシステムが判定した結果に誤りはないか」「本人確認のための住民票や登記簿謄本の取得」「最終的な利用限度額の調整はきちんとできているか」などを早く、正確にこなしていくことが求められています。

ただし「毎月●件以上は通さなくてはいけない」というノルマはありません。そんなノルマを課されてしまっては、先日のスルガ銀行の事案のように債権回収ができないお客様ばかりが増えてしまい、会社として倒産に追い込まれてしまいかねません。(参照『シェアハウス融資、99%承認 スルガ銀、審査機能せず』)

繰り返しになりますが、審査の基準は社内ルールで決まっていますので、そこから逸脱することは会社に不利益をもたらすことになります。私たち担当者が目指すのは、承認率(何件通したか)ではなく、いかにスムースに手続きを進めていくかに尽きるのです。

 

④審査担当者としてのやりがいは?

続いては「審査担当者としてのやりがいは?」ですね。

思わず心の中でガッツポーズが出る瞬間は「この申込み者は審査に通すべきか微妙だけど、(書類を見ながら)この感じなら大丈夫だろう」と踏んで審査に通した方が、その後のカードをきちんと利用して頂いているのがわかった時です。

カードの申込み者を大きく3タイプに分けると、

  1. 誰が見ても審査に通る人
  2. 誰が見ても審査に通らない人
  3. 誰が見ても審査に通すべきか迷う人

以上の3タイプがあり、①と②は迷うことすらありません。OKかNGの判定は一瞬で出ます。問題は③でして、ここをいかに見分けるかが審査担当者としての腕の見せ所です。

それでも「この申込み者は微妙だな・・」と感じながら審査に通した方が、きちんとカードを利用して返済して下さる確率は50%が良いところです。残りの50%の方はやはり返済期日に遅れたり、最後は破産されたりと様々ですので、やりがいと見識不足を交互に実感する毎日を送っています。

 

⑤審査担当者としてのストレスは?

続いては「審査担当者としてのストレスは?」ですね。

実に細かい話で恐縮ですが、私は審査に必要な書類の取得が面倒で一番ストレスに感じるところです。審査に必要な書類とは主に「住民票」と「登記簿謄本」です。申込み者の方がご自分で添付して下さることもあります。

念のためにカード会社での確認が必要な場合は、インターネットにアクセスして住民票を取得したり、弊社で契約している弁護士事務所に「こちらの申込み者の登記簿謄本を見せてください」とカード申込み書のコピーを添えてFAXで依頼を掛けます。

私だけかもしれませんが、この作業が本当にストレスです。今までスムースに進んでいた手続きがパタッと止まってしまい、後からどんどん申込みが溜まってしまうので、誰かアシスタントとして代わりにやって欲しいのが本音です。

それでも毎日1件あるかないかの話ですので、上司に「私にアシスタントを付けてくれ」などと言えば、どんな反応が返ってくるかは火を見るよりも明らかですが・・。

 

⑥審査担当者の就業時間や休日は?

続いては「審査担当者の就業時間や休日は?」ですね。

こちらは一般的なサラリーマンとほとんど一緒でして、毎日午前9時~午後18時頃まで働いています。残業は日によってありますが、それでも遅くまで残ることはほとんどありません。休日は土日祝と年末年始やゴールデンウィーク、お盆には長期休暇があります。

しかし、これがローンやリースの審査担当者だと、こんなに悠長に休んでいられません。シフト制で年中稼働しています。宝石のローンや車のリースの申込みは加盟店(宝石販売店や自動車販売店)から送られてくるため、お客様が目の前で審査結果を待っている加盟店の方に対して「土日祝は受け付けていません」では不平不満が殺到します。

一方のカード申込みはお客様から直接送られてきますので、少々審査結果が遅くなっても問題ない(こともないのですが)と考えられています。中には「まだ結果が出ないのか!?」「土日に電話しても誰も出ないのはなぜだ!?」とお叱りを受けることもしばしばですが、せっかくのこの機会に紹介させて頂きました。

 

⑦ぶっちゃけ、営業部門とは仲が悪い?

続いては「営業部門とは仲が悪い?」ですね。

たしかに、昔は営業マンと毎日電話でバトルを繰り広げていましたが、最近は仲良くやっていることが多いです。皆さんのイメージでは、営業マンは「何があっても通せ!」、審査担当者は「こんな申込み者を通せるか!」の構図でお考えかもしれません。

たしかに、営業マンが獲得した重要なお客様(一部上場企業の経営者や関連企業の重役クラスなど)の案件では、営業部門と審査部門で「通せ!」「通せない!」と対立することもありますが、ほとんどの場合は“会社の利益になる案件のみ通す”という考え方で一致しています。

どちらかと言えば、営業部門や審査部門と仲が悪いのは債権回収部門になります。債権回収部門の仕事は、カード利用者の利用実績や返済実績に瑕疵がないかを随時チェックして、問題があるお客様には直接電話を掛けて是正を依頼します。

基本的には問題を抱えているお客様の対応がメインですので、営業部門には「どうしてこんな怪しげな顧客を取ってきたんだ?!」、審査部門には「どうしてこんな支払いの悪い顧客を通したんだ?!」と不満を述べるのも、債権回収部門の仕事の一部という訳です。

 

⑧法人カードの審査に通るために必要なことは?

続いては「法人カードの審査に通るために必要なことは?」ですね。

これまでに何度も記事にしていますが、ズバリ挙げれば申込み者の信用情報です。信用情報とは、クレジットやリースの利用実績や返済実績が記載されたもので、ここに問題が見当たらなければ審査に通ります。

会社の業種や業歴、決算情報や資本金などをチェックするカード会社も存在しますが、ほとんどは申込み者の信用情報で決まると言っても過言ではありません。会社の情報は二の次です。ちなみに法人カードの審査に通りにくい方の信用情報では、

  • 直近3カ月以内にクレジットやリースの返済に遅れがある
  • 直近半年以内に3件以上の金融商品の申込みがある
  • 過去の未払い分を放置したままブラックリストに情報が載っている

    以上の例に該当される方が、法人カードの審査に通る可能性はグッと低くなります。要するに「金融機関に金を借りたら期日までに返す」をきちんとされていれば、法人カードの審査は何ら恐れるに足りません。

     

    ⑨法人カードの審査に通る確率はどれくらい?

    続いては「法人カードの審査に通る確率はどれくらい?」ですね。

    こちらは法人カードの承認率はどれくらい?で詳しく書いているとおり、約80~90%の確率で審査に通ります。先ほども申上げた通り、申込み者の信用情報に問題がなければ、起業したばかりの個人事業主でも、あえて赤字決算にしている法人でも審査に通るはずです。

    参考として、以下の項目をチェックしています。

    • あなたの昨年度の税込年収は?
    • 現職の勤続年数は?
    • ご自宅は持ち家or賃貸?
    • 自宅に固定電話は?
    • 過去5年以内の延滞履歴は?
    • クレジットカード所有枚数は?
    • キャッシングの借入残高は?
    • 自己破産の経験は?
    • 過去半年以内に3社以上の金融機関でクレジットやローンを申込んだ経験は?
    • あなたの会社形態は法人?個人?
    • 昨年度の年商は?
    • 創業からの業歴は?
    • 従業員数は?
    • 当期利益は?

    こちらは裏話ですが、「税込み年収」「勤続年数」「自宅の契約形態」など申込み者の自己申告に頼る情報はアテにしていません。カード会社が本気を出せば、年収は収入証明を、勤続年数は源泉徴収を、自宅の契約形態は不動産情報を取得すれば確認できますが、そこまで時間と労力を割けないのが実情です。

    ただし、バレなければ良いか!と盛りに盛った年収を書かれる方がたまにいらっしゃいますが、さすがにカード会社には長年の実績がありますので、たいがいのウソはすぐに見破ります。ここから先は、

    で法人カードの審査に通るための裏ワザを含めて詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。

     

    ⑩これから法人カードを作る方へのアドバイスを!

    最後は「これから法人カードを作る方へのアドバイス」ですね。

    こちらは単純明快にお答えできまして、『分相応のカードに申込む』に尽きます。なぜなら、どれだけあなたが気に入ったカードであったとしても、最終的に審査に通らなければ水の泡だからです。結局のところ、「審査に通るor審査に通らない」がカード選びの最重要課題と言えます。

    世の中にはありとあらゆる法人カードがあり、どれを選べば正解か迷っておられる方もいらっしゃるとお見受けします。そこで審査担当者からのアドバイスとしては、まずは【60秒で簡易審査】あなたが審査に通りそうなカードはどれ?から選んでみてはいかがでしょうかというご提案です。

    【60秒で簡易審査】あなたが審査に通りそうなカードはどれ?では、14個の簡単な質問に回答すると、各カードの審査に通る確率が出力されます。ご自身の信用情報を測定する上でも一度試してみてください。
    ※私が監修で関わっている自信作です。

    判定の結果、A判定やB判定が出たカードは比較的審査に通りやすいカードと考えて頂いて構いません。C判定やD判定が出たカードは時期尚早とお考え頂き、カード選びを再考されることをおすすめします。

     

    まとめ

    今回は「カード会社に審査担当者に聞きたい10のコト」のお題で記事を書いてまいりました。すべて本音でお話しておりますので、ウソ偽りは一切ありません。もしかするとカード会社によっては対応が異なるかもしれませんが、それでも大筋は合っていると思います。

    法人カードの承認率の話や審査に通るための裏ワザは当サイトだけの特選ネタですので、これからも記事のアップを楽しみにして頂けると幸いです。

     

     

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